30歳になったら静岡県!

Uターン

森重大さん[写真 左]

もりしげ だい

島田市

静岡県島田市出身。東海大学健康科学部を卒業後、静岡県島田市に本社を置く通信販売会社・ティーライフ株式会社に入社。広告制作を担当している。現在7年目。

Uターン

佐野槙子さん[写真 右]

さの まきこ

静岡市

静岡県静岡市出身。東海大学教養学部国際学科卒業後、ティーライフ株式会社に入社。商品のカタログやチラシ作成を担当。現在2年目。

神奈川の大学を卒業後、Uターンを決めた理由
「静岡発・通販専門企業の存在を知り、地元に帰ろうと決意」

大学進学を機に離れた地元・静岡県に、Uターン就職を決めた森重さんと佐野さん。静岡県島田市に本社を置く通信販売会社・ティーライフ株式会社で、自社企画した健康茶、健康食品、化粧品などの広告制作やカタログ制作などを担当している。
高校ではともに寮生活を送り、神奈川県内の同じ大学に進学するという、似た道を辿ってきた二人。そもそも進学と同時に、地元を出たのはなぜだったのだろう。

森重「付属高校の寮生活からそのまま大学に進んだため、地元を離れるのがごく自然な流れだったんです。親元を離れた生活にも慣れていたので“実家を出る”という感覚はありませんでした」

佐野「私は、一度は都会に出たいという憧れが先にあって、大学は県外に行くと決めていました。将来Uターンするのか、都内で就職するのかまではまったく考えていませんでした」

就職活動では、東京、神奈川を中心に企業をまわり、「Uターンするための就活」を意識したことはなかったという。

大学で社会福祉を専攻していた森重さんは、福祉系を含め幅広い業界を見る中で、静岡の企業も見てみようと思い、企業研究を始めた。
森重「ティーライフの存在をそこで初めて知り、静岡に通販専業の会社があるんだとびっくりしました。工場が多いイメージを持っていたので、自社発の商品をマーケティングで全国展開できるなんて!と興味を引かれました。人の役に立ち、喜んでもらう仕事をしたいと社会福祉を勉強していたので、『よろこんでもらえる喜び』を社是に掲げているところも素敵だなと思いました。会社のことを調べていくうちに、企業に惹かれ、家族や地元の友達がいる静岡に戻るのも悪くないなと考え始めたんです」

国際関係学部だった佐野さんは、「海外に関わる仕事がしたい」と東京、神奈川を中心に就活をしていた。静岡の会社まで見る範囲を広げてみたところ、ティーライフが海外事業を展開していると知り、選考を受けたという。
佐野「通販事業は将来的に伸びるのではないかという期待もありました。内定をいただき、静岡でも海外展開に携われるならと、Uターンを決めました」

地元に戻ってくると知った家族や周囲の反応
「7年間親元を離れていたからこそ、実感する家族のあたたかさ」

高校時代から寮生活で家族と離れていた二人。社会人になって戻ってくると伝えたとき、家族は驚きつつも喜んで迎えたという。

森重「一人っ子ということもあり、両親はとても喜んでいました。高校、大学と実質7年間、実家にいなかったので、取り戻した家族との時間という感じ(笑)。10代からいきなり22歳になって帰ってきて、共有している時間も限りなく少ないので、最初はお互いに戸惑っていたかもしれません」

佐野「私は沼津市の高校でバスケに打ち込んでいたので、朝練がきつくて通えずに寮生活。森重さんと同じように、7年間という長い時間を経ての久しぶりの同居でした。姉は大阪に就職して離れているので、娘が一人だけでも戻ってきたのはうれしかったんじゃないかな。仕事から戻ると家族がいて、何気ない仕事の話などができるありがたさを日々実感しています」

家族と過ごす時間以外にも、気心の知れた地元の友人と会う時間も増えた。家族ぐるみの付き合いがある友人も含めて、休日に集まることも多いという。
森重「静岡県内には大学が少ないので、県外に出る友人がたくさんいましたが、僕らみたいにUターンする人も多い。中高時代の友人とまた時間を過ごせるのはうれしいですね」

Uターンしたからこそ感じる、地元の魅力
「元気に挨拶を交わす、人のあたたかさに癒される」

一度静岡を離れて戻ってきたからこそ、それまで当たり前だと思っていた地域の魅力に改めて気づくこともある。例えば、静岡ならではの人のあたたかさや、つながりの深さ。何気なく交わす日常の会話に、ほっとすることが多いという。

森重「道を歩いていると、小学生や近所の方が、知り合いかどうかに関係なく全員挨拶してくるんです。大学時代にこんなことは一度もありませんでした。最近はむしろ、知らない人と言葉を交わしてはいけないといわれるような物騒な世の中。地元では、まだまだ人と人との関係があたたかいんだなと感動しました。地域のコミュニティの強さも、大学時代にはなかったものです。『ちょっとお惣菜を作りすぎちゃったからあげるわ』という、昔ながらのおすそ分け文化がまだ残っていて、地元で育った仲間同士の絆が深いような気がします」

佐野「昔から住んでいるからこそ、近所がみんな顔見知りという安心感がありますね。近所の人が誰かも分からない、会話もしないというドライな関係より、近所に顔なじみの飲食店やクリーニング屋さんなどがあって、頻繁に声をかけてもらえるような関係性が素敵。こんなつながりがある静岡っていいな、と思います」

現在、実家から車で通勤している二人だが、満員電車のストレスがないことも、住みやすさ、働きやすさを決める重要な要素だと話す。ちなみに、ティーライフの社員はほとんどが車通勤。車内で英語のCDをかけて勉強したり、ラジオのニュースを聞いたりと、思い思いに時間を使っているそうだ。
森重「都心だったら、会社に行くだけでヘトヘトになってしまう。通勤ラッシュがなければ朝から疲れることがないので、仕事の生産性も上がるんじゃないかなと思っています」

お金の使い方に関しては、Uターンしてから「日々のささいな無駄遣い」が極端に減ったと森重さんはいう。大学時代は、便利さゆえ、コンビニエンスストアやカフェなどにさっと立ち寄り、飲み物や軽食を買う習慣があったが、物理的に買う場所が限られる静岡でその習慣はなくなっていった。
佐野「東京は遊ぶところにすぐ行けるけど、こっちは車で行かないといけません。都心は物価が高いというのもあるけれど、便利さゆえにお金をすぐ使ってしまって出費がかさむ、ともいえるかもしれませんね」

Uターンありきではなく、ティーライフとの出会いから地元に戻ることを決めた二人だが、実際に静岡に本社を置く企業で働き、地元就職の魅力をどう考えているのだろう。
森重「学生時代は、ティーライフを含め静岡の企業についてあまり知らなかったのですが、働き始めて、地域に密着して頑張っている企業の多さに気づかされました。静岡産のものを全国、世界に出していこうという前向きでチャレンジ精神のある企業がたくさんあり勇気づけられます。静岡県は地理的に日本の中央にあるので、全国にものを届ける物流面でも非常に便利なんです。ティーライフのような通販企業が静岡にあるのは必然なんですよね。最近では通販の会社が増えているので、Webのコンサル会社、制作会社も県内に多く出てきています。東京の広告代理店と仕事をすることが多いですが、県内の広告制作会社との付き合いもどんどん増えています。静岡からいいものを発信していこうという思いで、一緒に仕事ができるのがモチベーションにつながっています」

現在、商品カタログやチラシ作成を担当している佐野さんは、以前、オペレーター業務を担当していた。オペレーターには“クレーム対応”のイメージが強かったが、日々寄せられるお客様のあたたかい声に驚いたという。
佐野「全国からの喜びの声は、手書きのメッセージでも毎日のように届き、手書きだからこそ、1通1通に込められた思いの大きさを実感します。商品とともに、静岡の人のよさや魅力も伝わっていたらうれしいですね」

Uターンを考えている人へのアドバイス
「地元の企業も選択肢に入れることで、進みたい方向が見えてくる」

東京で就職するか、静岡に戻るか。方向性を決めないまま就活をしていた二人がUターンをしたのは、ティーライフと出会えたからだった。「会社をどれだけ深く思えるかが、仕事の面白さを決める。だからこそ企業選びはとても大事」と話す森重さん。東京以外にも地元の企業まで幅を広げて見たことで、納得のいく選択ができたという。

森重「いい企業と巡り合えたからUターンを決めただけで、東京ですごく魅力的な企業に出会えていたら、今も東京で働いていたかもしれません。ただ、あのときの決断に後悔がないのは、東京、神奈川以外にも地元・静岡の企業をしっかり調べ、見比べた上で結論を出したからだと思います。都心には業種、職種の選択肢がたくさんありますが、長い社会人人生を過ごしたい会社はどこかと考え抜いたとき、僕にとってはやっぱり地元の会社でした。育った環境の中にある企業は、自分が気づかないうちに関わっている可能性もあります。そう思うと、企業研究への熱も自然と入り、この会社でこんな仕事がしたいという具体的なイメージがわいてくるんです。Uターンをするかまだ決めていない方でも、地元で働くという選択肢は必ず入れて検討した上で、自分の進む道を決めるといいと思います」

就活を始める前までは、都会の華やかさに憧れ、「東京でカッコよく働きたい」と思うこともあった。しかし、家族が近くにいて、仕事以外の時間をほっとして過ごせる環境があるかも含めて考えたとき、Uターンが自分にとってベストな選択だったという。今後は「人生設計の一つとして、自分の家族を作りたい」と話す森重さん。家族に支えられて今があるからこそ、将来の子どものために「帰ってくる場所を作りたい」という思いが強いという。

一方、海外事業に興味を持って入社した佐野さんは、「長いキャリアの中で、一時的にでも海外で働いてみたい」と、仕事への思いを話す。現在、ティーライフは台湾でも事業を展開しており、そのチャンスも舞い込んでくるかもしれない。
佐野「最終的に戻ってくる場所は静岡だと思っていますが、仕事の幅を広める上で、働く場所が変わることもあるでしょう。アンテナは広く、新しい仕事にも積極的にチャレンジしていきたいです」